Aspergillosis
アスペルギルス属は日本酒、味噌、醤油等の食品に広く利用されている普遍的なコウジカビであり、ヒトに深在性感染を生じる代表的な非酵母型真菌である。 本症は他臓器、特に肺からの血行性伝播により、しばしば多発性の化膿性病巣や肉芽腫性病巣を形成する。 くも膜下腔よりも脳実質内病変が著しく、しばしば血管壁に強い炎症をおこす。 肉眼的には、くも膜は肥厚混濁し、脳実質は高度に浮腫性で、大小の出血壊死性病巣が散在し、ときには広範な脳内出血、くも膜下出血、脳梗塞などの血管性障害が主病変となる。 肉芽腫性病巣はときに結節性のアスペルギルス菌腫(aspergilloma)を形成する。
図A: 左小脳半球底部に出血性病変を認める。
図B: 小脳割面。 病変は脳表から小脳深部にまで及ぶ。
図C: 病変部に認められた血管炎の像(H-E 染色)。 血管内に多数の菌糸を認める。
図D: 病変部血管の Grocott 染色像。 おびただしい数の陽性菌糸が血管壁に認められる。 アスペルギルスの菌糸は外側に向かって鋭角に分岐し、隔壁形成が Grocott 染色によって明確に認められる。