Toxoplasmosis
トキソプラズマ症は典型的な人畜共通の感染症で、そのほとんどが不顕性である。 潜在性の感染では cyst が細胞の内外にみられても脳実質に壊死や炎症反応はない。 しかし免疫機構の異常が生じると cyst 内の虫体は周囲組織に放出され、増殖を開始し後天性トキソプラズマ症を惹起する。 肉眼的には境界不鮮明な壊死病巣が大脳皮質あるいは皮髄境界部、基底核、視床にみられることが多く、さらには小脳、脳幹部にも病変が及ぶ例がある。 本例は AIDS 感染者に発症した症例。
図A: 脳は全体に autolytic で、特に大脳基底核・視床には出血を混じた高度の壊死性病変が認められる。
図B: 病変部では Toxoplasma gondii の cyst (矢印)および無数の tachyzoites が認められる。
図C: 神経細胞(左)・アストロサイト(右)の胞体内で虫体が増殖した terminal colony の像。
図D: Cyst (左 H-E 染色)は抗 Toxoplasma 抗体で陽性を示す(右)。