PD の神経病理学的診断上、またその病変の広がりを知る上で、 Lewy 小体は極めて重要な構造物である。 Lewy 小体の出現している部位には、その程度はともかく必ず神経細胞脱落が存在しているといわれている。 既に述べたごとく、 PD では、黒質だけが侵されるわけではない。 また、 Lewy 小体の認められない PD は存在しない。 近年、この Lewy 小体の分子病理学は一気に進展した。
図A: Lewy 小体の電顕像。 中心部(core)はシナプス小胞にも似た円環様構造物、その周囲(halo)は放射状に伸びる線維状構造物から成っている。 その線維状構造物は neurofilament よりやや太く、しばしば細かい顆粒状物質を付着している。
図B: この線維構造物の主要な構成蛋白のひとつは α-synuclein である。
図C: 黒質。 α-synuclein 免染では、 Lewy 小体を有しない神経細胞や突起にも陽性所見がみられる。 個々の神経細胞や突起における Lewy 小体(あるいはその異常線維)形成への進行性病的過程がうかがわれる。
図D: 中心部を構成する蛋白は何か。 そのひとつは α-synuclein 関連蛋白として同定された synphilin-1 である。