現在、 PSP は中枢神経系を広範に侵す変性疾患として新たな時代を迎えている。 リン酸化 tau を指標とした免疫組織化学は、多くの部位で tau の異常が起きていることを明解に示してくれる。 それは、神経細胞に止まらず、グリア細胞をも侵す tau の異常である。 神経細胞では、 NFT 形成の明らかでないものにも tau の蓄積があることが分かる(pretangle: 電顕的には、異常線維の形成がないか、あってもごく少数しか観察されない)。 また、多くの突起にも tau の蓄積が起こっている。 さらに、これまで決して侵されることはないとされてきた小脳皮質でも Purkinje 細胞や Bergmann グリアに tau の異常が示された。
図A: 黒質。
図B: 無名質(Meynart 核)。
図C: 橋核。
図D: 白質である内包。 Oligodendrocyte における tau の蓄積が明らかである。 胞体のそれは coiled body、突起のそれは thread と呼ばれている。 灰白質であれ白質であれ、突起にみられる tau の蓄積は、その多くが oligodendroglia に起こっている。