下位運動ニューロンには、 ALS の病態・病因を考える上で、極めて重要な構造物が出現する。 そのひとつが Bunina 小体(Bunina body)である。 本小体は、当時、ソ連の Bunina (1962)によって、家族性 ALS の下位運動ニューロンに初めて見出された好酸性の小さな胞体内封入体で、発見当時は、ウイルスではないかということで一大センセーションとなった。 その後の電顕的検索は、その可能性を否定するに至った。 現在、この Bunina 小体は孤発性 ALS の下位運動ニューロンにほぼ 100% 出現する特徴的封入体と考えられれている。
図A: 比較的健常にみえる前角細胞に認められた Bunina 小体(矢)。
図B: Bunina 小体の辺縁が cystatin C 陽性となる。 その意義は、未だ不明であるが、現在、 cystatin C は本小体の唯一のマーカーである。 一般に ubiquitin は陰性である。
図C: Bunina 小体の電顕像は多種多様であるが、電子密度の高い、黒くみえる無構造の部分がその本体と考えられる。 これは黒く見える部分のなかに neurofilament あるいはそれに類似する線維性構造物が取り残されたように見えている。
図D: これは黒くみえる部分のなかに大小、多数の小胞様構造が取り残されたようみえる。