症例が蓄積されるにしたがい CBD の臨床的ならびに病理学的診断上の問題点がクローズアップされてきている。 症例によって大脳皮質病変に部位的相違がみられる。 中心溝周囲に最も強い例、前頭葉に強い例、さらにシルビウス裂に強い例の 3 型が存在する。 当然ながら、その主要な臨床症状が異なる。 前述の MSA における SND、 OPCA、 SDS のようなものである。 病理学的には、 CBD に特徴的とされてきた ballooned neuron の数は症例によってばらつきがあり、少数しか認められない例、あるいは欠く例の存在である。 さらに、 PSP との異同を考えた場合、免疫組織化学的検索を含めて明らかにされる大脳皮質病変や皮質下病変の程度と分布だけで、果たして、鑑別に至れるか。 現時点で、このふたつを分けるのは、グリアの tau の蓄積の形態の違い(astrocytic plaque と tufted astrocyte)とされている。 すなわち astrocytic plaque は CBD に特異的であり、両者が同一例で共存することはないという。 果たして、それもどうか? 
図A: ときに、神経細胞の胞体内に認められる Pick body 様封入体(G-B 染色)。
図B: 前頭葉白質の多数の coiled body と thread (oligodendroglia) (G-B 染色)。
図C: 問題のグリアの病変(G-B 染色)。 Astrocytic plaque と呼ばれる。 それは一般に、太く、短い、表面がギザギザしてみえる構造物があたかも老人斑 senile plaque に認められる腫大した突起のような配列を呈して認められる。 中心部に astrocyte の核をみることはまれである。 PSP の tufted astrocyte とは確かにその形状を異にしている。
図D: Astrocytic plaque のリン酸化 tau の免染。