Multiple system atrophy: MSA
多系統萎縮症は Graham & Oppenheimer (1969)によって提唱された病理学的な疾患概念で、オリーブ橋小脳萎縮症 olivopontocerebellar atrophy (OPCA)、線条体黒質変性症 Striatonigral degeneration (SND)、 Shy-Drager syndrome (SDS)という病型を包含するものである。 現在、臨床的には、パーキンソニズム優勢の例を MSA-P、小脳失調が主要な運動症状の例を MSA-C とし、 SDS という名称は使用しないようである。 ここでは、臨床経過は何であれ、生前、最終的に MSA と診断された例をみてみる。 これが MSA の肉眼・ルーペ像である。
図A: 一見して、小脳と脳幹があまりにも小さいことがわかる。
図B: 橋の割面。 底部のほぼ選択的な萎縮。 橋横線維の白色調が失せている。
図C: 線条体(より正確には、被殻)のさび色様変化と萎縮。 淡蒼球も褐色調を呈し、萎縮性。 正常では、これらの核は内包側に向かってゆるやかな凸の豊かな肉量感をもっている。
図D: 皮質脊髄路の変性。