Methyl mercury intoxication, 水俣病
1950 年頃に熊本県水俣湾岸で水俣病が発生、次いで 1964 年頃に新潟県阿賀野川沿岸でいわゆる新潟水俣病が発生した。 こうした地域的超高濃度汚染とは別に、実は、地球規模での水銀汚染は近代化とともに年々拡大し続けており、人体への影響、とりわけ胎児脳への影響は、現在でも、公衆衛生上の最重要課題の一つに位置づけられている問題である。
図A: 1965 年死亡した新潟水俣病急性例の後頭葉鳥距野(calcarine cortex)。 この視覚領皮質に高度の壊死性病変が認められる。
図B: 別症例の calcarine cortex の顕微鏡像。 高度の神経細胞脱落と生地組織の粗しょう化、反応性アストロサイトーシスが認められる。
図C: 小脳では Purkinje 細胞と顆粒細胞の高度の脱落が認められる。 分子層には小空胞が認められる。
図D: 硬膜を切開し左右に開き、脊髄背側面を見たところ(左図)。 萎縮した後根が認められる。 脊髄後根をエポン樹脂に包埋し断面を観察すると、有髄線維の高度の脱落が認められる(右図)。